申込は集まった。当日もそれなりに人が来た。アンケートの評判も悪くない。それなのに、そこから先の商談がなかなか生まれない。ウェビナーを続けている会社で、よく聞くお悩みです。
終わった後は、お礼のメールに資料と録画のリンクを付けて全員に送り、反応のあった人に営業が電話をかける。この流れ自体はまちがっていません。ただ、最後まで見た人も、途中で抜けた人も、質問をくれた人も、同じ1通で済ませているなら、見直せる所があります。この記事では、相手を4つに分けて、だれに・いつ・何を送るかを1枚の予定表にし、そこに録画の短い切り出しを添えるやり方を紹介します。
終わった後の連絡を組み立てる5つの手順
- 数字の分母を決める参加者か、申込者か
- 嫌がられる連絡を知る営業色・しつこさ・資料だけ
- 相手を4つに分ける質問・最後まで・途中・欠席
- 録画を短く添える1通に1本、1〜3分
- 送る前に確かめる名前・画面・転送されても困らないか
1回分で試して、次の回に数字を比べる
ウェビナーの商談化率に「決まった平均」はない
ウェビナーの効果を測るとき、まず気になるのが「うちの商談化率は低いのか」です。けれど、調べてみると目安として出てくる数字は記事ごとにばらばらで、どの調査の数字なのかが書かれていないものがほとんどです。この記事では、元の調査で確かめられない目安は使いません。
元のページで確かめられた数字の1つに、ある会社が自社で開いたウェビナーの例があります。終わった後のフォローで商談(アポイント)につながった割合は、検討中の人に向けて製品を見せるデモのウェビナーで10%程度、興味を持ってもらうためのウェビナーで5%程度だったと紹介されています。ただし、これは1社の自社開催の数字で、回数や期間、人数は書かれていません。分母も「ウェビナーの視聴者」です。
この例から分かるのは、同じ会社でも、ねらう相手と中身(検討中の人向けのデモか、興味を持ってもらう回か)で数字が倍ちがうということです。業種・テーマ・参加者の顔ぶれがちがえば、なおさら比べにくくなります。ほかの会社の数字と比べて一喜一憂するより、自社の前回の数字と比べるほうが、何を直せばよいかが見えます。
出典: 株式会社シャノン ブログ「視聴率、CVR、アポイント率……」(公開 2021年6月17日・更新 2025年7月7日) https://www.shanon.co.jp/blog/entry/webinar_data/
ウェビナーの効果測定で見る数字:参加率から商談化率までを4段で
ウェビナーの効果測定は、商談の数だけを見ると、どこでつまずいたのかが分かりません。申込 → 参加 → 視聴の中身 → 商談の4段に分けて、それぞれの数を書き出します。3段目の「視聴の中身」は、最後まで見た人、質問した人、アンケートで「話を聞きたい」と答えた人の数です。ここが、終わった後の連絡で一番手がかりになります。
- 申込申し込んだ人の数
- 参加当日に入った人の数
- 視聴の中身最後まで見た・質問・アンケート
- 商談例: 打ち合わせの日程が決まった数
商談化率は「何で割るか」を先に決める
同じ回でも、分母しだいで商談化率は大きく変わります。たとえば申込100人・参加40人・商談3件(どれも架空の例)なら、参加者で割ると7.5%、申込者で割ると3%です。2.5倍もちがう数字が、どちらも「商談化率」と呼ばれることになります。
- 当日の中身や、終わった後の連絡の良し悪しを見たいときは、参加者で割る
- 集客から商談までの全体を見たいときは、申込者で割る
- どちらにするかを決めたら、毎回同じ分母で出し、前回と並べる
「商談」をどこで数えるか(日程が決まった時か、打ち合わせが終わった時か)も、社内で1つに決めておきます。参加率(参加者÷申込者)も同じで、自社の前回と比べるのが基本です。この記事の予定表は、主に3段目から4段目、つまり視聴の中身を商談につなげる所を整えるためのものです。
ウェビナー後のフォローで、嫌がられやすい3つ
「終わったらすぐ、たくさん連絡する」がよいとは限りません。2026年に、過去1年以内にウェビナーに参加した20〜50代のビジネスパーソン1,003人に聞いた調査では、参加後の主催者からのフォローで、これまでに感じたことがあるものとして、次の答えが上位にありました。
| 参加後のフォローで感じたこと(設問の言い方のまま) | 割合 |
|---|---|
| 営業色が強く、不快に感じた | 31.6% |
| しつこい連絡(電話・メール)を受けた | 28.4% |
| 資料送付のみで、特に印象に残らなかった | 25.8% |
出典: 株式会社経営参謀「ビジネスパーソンのウェビナー参加実態」に関する調査(2026年5月21日発表。調査 2026年4月30日〜5月1日、インターネット調査、1,003人) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000016218.html
3つを並べると、押しが強すぎても、何もしなさすぎても印象を下げることが分かります。だから、終わった後の連絡で大事にしたいのは「早く・たくさん」ではなく、相手が見たかった所を、短く届けることです。次の章の予定表は、この考え方で組んでいます。
- 営業色を抑える → 1通目は「お礼」と「相手が見たい所」だけにする
- しつこくしない → 1人への連絡は多くて3回まで。止める日を先に決める
- 資料だけで終わらせない → 録画の、相手に関係のある所を1本だけ添える
ウェビナー後48時間の連絡の予定表(4つの相手別)
この記事では、終わってからの48時間を、最初の連絡を送り終える区切りにします。データで決まった「最適な時間」ではなく、予定を立てやすくするための区切りの例です。自社の営業日や、ウェビナーの曜日に合わせて動かしてください。
予定表は、48時間のうちに最初の連絡を送り終え、3日後の1通で止める形です。そのために、相手を次の4つに分けます。申込者の一覧と、当日の視聴の記録・質問・アンケートの答えがあれば分けられます。かっこの中は、送る人の例です。
| 相手(送る人) | 当日(終わってから数時間) | 翌日(ここまでで48時間) | 3日後(止める1通) |
|---|---|---|---|
| 質問した人・アンケートで「話を聞きたい」と答えた人(営業) | お礼と、質問に答えた所の切り出し(1〜3分) | 担当者から個別に1回(日程の候補を添える) | 返事がなければ、資料を1つ添えて「必要なときにいつでも」で止める |
| 最後まで見た人(マーケティング) | お礼と、録画・資料 | — | 見どころの切り出しを1本と、次の一歩を1つ(例: 個別の相談・次回の案内) |
| 途中で抜けた人(マーケティング) | お礼と、録画。抜けた後の見どころを「〇分〇秒から」と案内 | — | 抜けた後の話から、切り出しを1本 |
| 来なかった人(マーケティング) | 録画のご案内メールを1通(来なかった人向けに書き分ける) | — | 見どころの切り出しを1本 |
※「—」は、その日は送らないという意味です。時間の区切り(当日・翌日・3日後)は、この記事での例です。どの時間に送ると商談が増える、という意味ではありません。
「来なかった人」の行に送る録画のご案内メールは、ウェビナー集客の前に:参加率の平均と、来なかった人に録画で届ける方法のひな形をそのまま使えます。
予定表を使うときの決まり
- 1人への連絡は、電話もメールも合わせて多くて3回。3日後の1通で止め、あとは次回のご案内まで待つ
- 1通に入れる「次の一歩」は1つだけ(相談・資料・次回の案内のどれか)
- 電話をかけるのは、質問やアンケートで相手から話を聞きたいと示してくれた人だけにする
- 同じ人が2つの行に当てはまるときは、上の行(関心の強い方)だけで連絡する
だれがどの行を受け持つかは、ウェビナーの前に決めておきます。終わった後に話し合うと、それだけで1日が過ぎてしまいます。商談につなげる連絡は、自社の言葉で話せる社内の人が受け持つのが向いています。社内に残す仕事と外に出せる仕事の分け方は、ウェビナーの外注はどこまで出す?作業20個の分担表でまとめています。
録画の切り出しを添える:1通に1本、1〜3分
予定表のあちこちに出てくる「切り出し」は、ウェビナーの録画の一部を短く切った動画のことです。録画の全部を送るだけでは、1時間の中から自分に関係のある所を探すのは相手の手間になります。3章と同じ調査では、ウェビナーに参加するときの見方として、「他の業務をしながら視聴している」が36.7%、「アーカイブで倍速視聴している」が30.0%でした。じっくり全部を見る人ばかりではないからこそ、見てほしい所を短く渡す意味があります。
出典: 株式会社経営参謀「ビジネスパーソンのウェビナー参加実態」に関する調査(2026年5月21日発表) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000016218.html
切り出す場面の選び方
- 手がかりを拾う: 質問の記録・アンケートの自由記入・チャットから、「どの話に反応があったか」を書き出す
- 場面を決める: 質問への答え、デモ、数字や事例の話など、相手が知りたかった所を1つ選ぶ
- 短くする: 前後の話を切って1〜3分に。字幕や見出しは最小限でかまいません
- 1通に1本だけ添える: いくつも付けると、どれを見ればよいか迷わせてしまいます
切り出す手間がかけられないときは、録画全体のリンクに「〇分〇秒から」と書き添えるだけでも、相手の手間は減ります。YouTubeの限定公開などで録画を共有している場合は、再生を始める時刻を指定したリンクも作れます。録画をどこまで公開するかは、社内の決まりに合わせて別に決めてください。
1回の録画から作れるほかの素材はウェビナーの二次利用に、録画を全部・一部・申込者だけのどれで公開するかはウェビナーのアーカイブ配信、録画は公開すべき?にまとめています。
切り出しを送る前に確かめる3つのこと
切り出しは短いぶん、前後の話がないまま、気軽に転送されやすいものです。送る前に、次の3つを確かめます。
- 質問した方のお名前・会社名が、画面・字幕・読み上げた声に出ていないか
- 切り出した1〜3分の中に、社外秘の画面や参加者の顔が入っていないか
- その切り出しだけが転送されても困らないか(前後がなくても誤解されないか)
画面に映りやすいものは、動画編集を依頼する前に決める5つのことの「出してはいけないもの」の図でも整理しています。録画のリンクの公開範囲と期限、配信停止の案内、申込者の連絡先の扱いは、録画全体を送るときと同じように確かめ、迷うときは社内の担当者や弁護士などの専門家にご相談ください。
録画全体を送る前に確かめることは、ウェビナー集客の前に:参加率の平均と、来なかった人に録画で届ける方法の5章で4つに絞って紹介しています。
まず1回分で試し、次の回に数字を比べる
予定表は、いきなり完璧に回さなくてかまいません。次のウェビナーで1回分だけ使い、2章の4段の数字を前回と並べてみてください。並べるときは、分母と「商談」の数え方を前回とそろえます。
- 分母と「商談」の数え方を、前回とそろえたか
- 相手を4つに分けて、予定表どおりに送れたか
- 切り出しを添えた連絡に、返事や相談はあったか
- だれが、何時間かけて送ったか
1回で結論を出す必要はありません。数字は回ごとにぶれるので、2〜3回続けて同じ分母で並べると、傾向が見えてきます。
続けるうえで重くなりやすいのが、毎回の切り出しづくりです。連絡そのものは社内で受け持ち、録画の編集だけを外に出すという分け方もあります。どこまで任せるかは、ウェビナー外注の分担表で印を付けながら決められます。
録画の編集で何をするかは、ウェビナーの動画編集:冒頭で離れる録画の直し方でご紹介しています。
まとめ
ウェビナーの商談化率に、出典で確かめられる決まった平均はありません。分母(参加者か申込者か)を決め、自社の前回と比べることから始めます。
終わった後の連絡は、質問した人・最後まで見た人・途中で抜けた人・来なかった人の4つに分け、48時間のうちに最初の連絡を、3日後に最後の1通を送って止めます。どの連絡にも、相手が見たかった所の録画を、1通に1本、短く添える。押しの強さではなく、役に立つ1通を積み重ねるための予定表として使ってください。
よくある質問
ウェビナーの商談化率の平均はどのくらいですか?
出典で確かめられる決まった平均はありません。ある会社の自社開催の例では、終わった後のフォローで商談につながった割合が、デモのウェビナーで10%程度、興味を持ってもらうためのウェビナーで5%程度と紹介されていますが、件数や期間は書かれていません。ほかの会社と比べるより、分母をそろえて自社の前回と比べるのがおすすめです(1章・2章)。
ウェビナーの効果測定では、何の数字を見ればよいですか?
申込・参加・視聴の中身(最後まで見た人、質問した人、アンケートで話を聞きたいと答えた人)・商談の4段です。商談化率は「商談の数÷参加者の数」か「商談の数÷申込者の数」のどちらかに決めて、毎回同じ分母で出します(2章)。
ウェビナー後のフォローは、いつ送ればよいですか?
どの時間に送れば商談が増える、という出典のある答えはありません。関心が残っているうちに送れるよう、この記事では当日・翌日・3日後を区切りの例にしています。大事なのは時間よりも、相手ごとに中身を分けることと、止める日を先に決めておくことです(4章)。
録画は全部送るのと、一部を切り出すのとどちらがよいですか?
どちらか一方ではなく、両方を使い分けるのがおすすめです。録画の全体はお礼のメールで渡し、そのうえで相手に関係のある所を1〜3分に切り出して、1通に1本添えます。切り出せないときは「〇分〇秒から」と書き添えるだけでも、見てもらいやすくなります(5章)。
映作堂について
映作堂は、会社のウェビナー録画とYouTube動画の編集をお引き受けしています。月額のプランでは、録画1本を、話題ごとの目次(チャプター)を付けたアーカイブ動画と、縦型のショート動画6本(1本15〜60秒)にしてお届けします。目次があれば、終わった後の連絡で「〇分〇秒から」と案内しやすくなります。まずは録画1本のお試し(アーカイブ版の15分・ショート動画3本・目次の案・要約文)から始められます。