告知ページづくりから当日の司会、終わった後のお礼のメールまで、ウェビナーを少ない人数で回している会社は少なくありません。ある調査では、ウェビナーを1〜2人体制で実施している企業が76.5%でした。月の予算は「全くかけていない」が32.2%、「10万円以下」が32.9%で、合わせると6割を超えます。
手が足りないから、外に頼みたい。けれど「ウェビナー 外注」で調べると、企画から集客・当日の運営までをまとめて引き受ける話が多く、「うちは一部だけ手伝ってほしいのだけれど」と迷う方もいらっしゃるはずです。この記事では、ウェビナーの外注を作業ごとに分けて、社内に残すもの・任せるものを決める方法をまとめます。
出典: 「2025年最新版 ウェビナーに関するアンケート調査結果」株式会社ネクプロ・OTSUANGI株式会社、2025年5月7日発表(調査 2025年2月、ウェビナーを実施または検討中の企業の担当者146名) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000067303.html
外に出す範囲を決める5つの手順
- 仕事を分ける集客・当日・録画の後
- 作業を並べる前・当日・後の20個
- 社内に残す所テーマ・話す人・商談
- 印を付ける任せる・社内・やらない
- 頼み方を選ぶ一部だけでもよい
分担表を添えて、見積もりを頼む
この記事で分かること
- 「ウェビナーの外注」が、どんな別々の仕事に分かれているか
- 開催の前・当日・後の作業20個と、社内に残したほうがよい作業
- 印を付けるだけで使える分担表と、一部だけ頼むときに決めること
ウェビナーの「外注」は、3つの別の仕事に分かれる
ひと口に「ウェビナーの外注」といっても、中身は大きく3つの仕事に分かれます。人を集める仕事、当日の配信を止めない仕事、そして録画を見られる形にして届ける仕事です。必要な力も、うまくいったかどうかの測り方も、それぞれ違います。
世の中で「ウェビナー運営代行」「集客代行」と呼ばれるサービスは、このうちの1つ、または複数をまとめて引き受けるものです。録画をセミナー動画として編集する仕事は、3つ目の「録画の後」にあたります。
これに加えて、ウェビナーの後に申込者へ連絡して商談につなげる仕事があります。こちらは外に出すより、社内に残しておきたい仕事です(3章でくわしく書きます)。
- 集客測り方: 申込数・参加率
- 当日の運営測り方: 止まらずに配信できたか
- 録画の後測り方: 約束の日に、使える形で届いたか
- 商談のフォロー社内に残したい仕事
成果の測り方が違うから、分けて決める
集客を頼むなら「申込みが何件増えたか」、当日の運営なら「音や映像が止まらなかったか」、録画の後なら「約束の日に、使える形で届いたか」で確かめます。3つを1つの契約にまとめると、何をもって「頼んでよかった」とするのかがぼやけがちです。まとめて頼む場合でも、仕事ごとに成果の測り方を決めておくと、あとで振り返りやすくなります。
担当者の悩みも、仕事ごとに分かれています。2か月に1回以上ウェビナーを開催しているBtoB企業の担当者に聞いた2023年の調査(複数回答)では、運営の課題は次のとおりでした。
- テーマ・内容: 47%
- 告知・集客: 36%/参加率: 36%
- リード獲得: 31%/効果測定: 30%
- コスト: 21%/人員不足: 15%
悩んでいる所が違えば、手を借りたい所も違います。「外注するかどうか」より先に、「どの仕事で手を借りたいか」を決めるのが近道です。
出典: 「BtoB企業のウェビナーに関する実態調査」株式会社IDEATECH(リサピー)、2023年4月21日発表(2か月に1回以上開催するBtoB企業の担当者100名) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000094.000045863.html
開催の前・当日・後に、どんな作業があるか
次に、1回のウェビナーにどんな作業があるかを、時間の順に並べてみます。ここでは20個に分けました。会社によって呼び方や細かさは違いますが、大まかな流れは同じです。
- 開催の前(8個)社内に残しやすい作業: テーマを決める/登壇者と話す内容をすり合わせる
- 当日(5個)社内に残しやすい作業: 登壇して話す/質問に答える(司会や配信の操作は任せてもよい)
- 開催の後(7個)社内に残しやすい作業: 商談の連絡/アーカイブをどこに、いつまで公開するかを決める
作業の中身は、4章の分担表で1つずつ並べています。
定期的に開催していると、分担表の20個の作業が毎月くり返されます。1年以上定期開催している担当者への調査では、開催の頻度は「月1回程度」が35.7%、「月2〜3回程度」が29.8%でした。月に何回も開くなら、1つひとつは小さな作業でも、合わせるとかなりの時間になります。
出典: 「ウェビナー運営に関する調査」株式会社PRIZMA、2025年3月4日発表(1年以上ウェビナーを定期開催している担当者507人) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000149156.html
録画の後は、手つかずになりやすい
3つの段階のうち、後回しになりやすいのが開催の後です。ある調査では、アーカイブ動画を配信したことがある主催企業は47.2%でした。一方で、視聴者の側では、アーカイブを見たことがある人が93.4%、アーカイブがあることが申込みの決め手になったことがある人が69.2%でした。
主催する側と見る側、聞いた相手が違う数字なので単純には比べられませんが、見たい人に比べて、届ける側の手が回りきっていない様子がうかがえます。録画をそのままにすると、来られなかった方に届ける機会を逃してしまいます。
出典: 「ウェビナーに関するアンケート」株式会社シャノン・株式会社Innovation X Solutions、2025年12月24日発表(2025年10月調査) https://www.shanon.co.jp/corporation/news/2025/12/24.html
社内に残したほうがよい作業と、その理由
20個のうち、外に出せる作業はたくさんあります。ただ、次の3つは社内に残すことをおすすめします。どれも、自社のお客さまをいちばんよく知っている人にしかできない所だからです。
テーマを決める
テーマ・内容は、先ほどの調査で課題の1位(47%)でした。いちばん外に頼みたくなる所かもしれません。ただ、だれのどんな悩みに答える回にするかは、営業やサポートの現場の声を聞ける社内のほうが決めやすいはずです。迷うときは、外の人には「候補を出してもらう」ところまでを頼み、最後に選ぶのは社内、という分け方もあります。
話す人の言葉
登壇する人の話し方や言葉の選び方は、そのまま会社の印象になります。台本を外に書いてもらうことはできますが、何を言い、何を言わないかの線は社内で引いておきましょう。社名・製品名・専門用語の書き方を一覧にしておくと、告知文や字幕を任せるときにも、そのまま使えます。
申込者への商談の連絡
ウェビナーの後に申込者へ連絡し、商談につなげる所は、お客さまとの関係そのものです。連絡の文面づくりを手伝ってもらうことはあっても、だれに・いつ・どんな理由で連絡するかは社内で持っておくと、関係が途切れません。
ウェビナー外注の分担表(作業20個に印を付ける)
ここまでの20個を表にしました。それぞれの作業に「任せる」「社内」「やらない」のどれかで印を付けてみてください。印刷して社内で回しても使えます。社内に残しやすい作業には「おすすめ: 社内」と添えています。
開催の前(8個)
| 作業 | 決めることの例 | 印 |
|---|---|---|
| テーマを決める | だれの、どんな悩みに答える回にするか(おすすめ: 社内) | 任せる社内やらない |
| 登壇者の調整 | 話す人・日程・話す内容のすり合わせ。社外の方を招くか(おすすめ: 社内) | 任せる社内やらない |
| 告知ページ | 申込みのページの文章と画像を、だれが作るか | 任せる社内やらない |
| 申込フォーム | 配信ツールの機能を使うか、別に作るか。申込者の情報をだれが管理するか | 任せる社内やらない |
| 集客の告知 | メール・SNS・広告のどれで、何回知らせるか | 任せる社内やらない |
| リマインドのメール | 前日・当日の案内を、だれが、いつ送るか | 任せる社内やらない |
| 配信ツールの設定 | ツールの用意、参加用のリンク、録画の設定をだれがするか | 任せる社内やらない |
| リハーサル | 音・画面の共有・資料の切り替えを、いつ確かめるか | 任せる社内やらない |
当日(5個)
| 作業 | 決めることの例 | 印 |
|---|---|---|
| 司会 | 始まりと終わりのあいさつ、質疑の進行をだれがするか | 任せる社内やらない |
| 配信の操作 | 画面の切り替えと、音や映像のトラブルが起きたときの対応 | 任せる社内やらない |
| 録画 | 録画を始める人と、録画のファイルを受け取る人。録り忘れをだれが確かめるか | 任せる社内やらない |
| 質疑の受付 | 質問を集めて読み上げる人と、答える人(おすすめ: 答えるのは社内の登壇者) | 任せる社内やらない |
| アンケート | 何を聞くか、いつ配るか | 任せる社内やらない |
開催の後(7個)
| 作業 | 決めることの例 | 印 |
|---|---|---|
| お礼のメール | 参加した方と来られなかった方に、何を、いつ送るか | 任せる社内やらない |
| アンケートの集計 | 集計の形と、だれが読んで次の回に生かすか | 任せる社内やらない |
| 録画のカットと字幕 | 開始前の待ち時間や言い直しを切るか。話した言葉をすべて字幕にするか | 任せる社内やらない |
| アーカイブの公開 | どこに、いつまで、だれに向けて公開するか | 任せる社内やらない |
| 短い動画の切り出し | 縦型の短い動画を何本作り、どこで使うか | 任せる社内やらない |
| 要約文と目次 | 説明欄やお礼のメールに載せる文章と、チャプター(目次)を作るか | 任せる社内やらない |
| 商談の連絡 | だれに、いつ、どんな理由で連絡するか(おすすめ: 社内) | 任せる社内やらない |
印を付け終えたら、「任せる」が付いた作業がどの段階に集まっているかを見てください。それが、依頼先を探すときの「頼む範囲」になります。「やらない」は、今の人数では手放すと決めた作業です。決めておくと、残りの作業の質を保ちやすくなります。
全部まとめて頼まなくてよい:一部だけ頼む3つの形
印が1つの段階に集まったなら、その段階だけを頼む形があります。全部をまとめて頼む必要はありません。
集客だけ頼む
告知ページや広告、メールでの案内を任せ、当日と開催の後は社内で行う形です。
- 向いている会社: 「申込みが集まらない」がいちばんの悩みの会社
- 成果の確かめ方: 申込数と参加率が増えたか
- 気をつけること: 告知の文面に、自社の言葉づかいと言わないことを先に伝える
当日の運営だけ頼む
配信の操作やトラブルの対応を任せ、社内の人は登壇と質疑に集中する形です。
- 向いている会社: 社外の登壇者を招く回や参加者の多い回など、配信が止まると困る回がある会社
- 成果の確かめ方: 止まらずに配信できたか
- 気をつけること: リハーサルに登壇者も参加する。配信が止まったときの対応と責任の分け方、使う機材(どちらが用意するか)を先に決めておく
録画の後だけ頼む
開催の前と当日は社内のまま、録画を渡して、カット・字幕・アーカイブ・短い動画・要約文などを任せる形です。
- 向いている会社: 開催まではなんとか回せているけれど、録画がそのままになっている会社
- 成果の確かめ方: 約束の日に、使える形で届いたか
- 気をつけること: 音や映像の質は当日の録画で決まるので、録画の設定は事前に確かめる
どの形でも、頼む範囲が小さいほど、成果の測り方もはっきりします。まず1つの段階で頼んでみて、うまくいったら広げていくと、社内の負担も費用も見通しを立てやすくなります。
ウェビナーを外注する前に決めておくこと
頼む範囲が決まったら、依頼先に連絡する前に、次の4つを決めておきましょう。見積もりのやりとりが短くなり、頼んだ後のずれも減ります。
- 成果の測り方(何をもって「頼んでよかった」とするか)
- 録画データの扱い(渡し方・保管・削除)
- 社内の確認役と、確認にかける日数
- 納期(開催から何日で、何を受け取りたいか)
いちばん大事なのは、成果の測り方です。1章で書いたとおり、集客・当日の運営・録画の後では、確かめる所が違います。頼む仕事ごとに「これができたら頼んでよかった」と言えることを1行で書いておくと、依頼先にも伝わりやすくなります。
録画データの扱い
会社の録画には、社外に出せない資料や、質問した方のお名前が映っていることがあります。渡し方(見るだけの権限・期限つきのリンク)、依頼先での保管の期間、削除の連絡をもらうかどうかを、先に決めておきましょう。出してはいけないものの洗い出し方とデータの流れは、動画編集を依頼する前に決める5つのことの4章・5章で、図にしてまとめています。
費用は何で決まるか
金額は、頼む仕事ごとに決まり方が違います。集客なら告知の回数と広告費(多くは別にかかります)、当日の運営なら配信の時間・参加者の数・必要な人数、録画の後なら録画の長さ・作るものの数・納期で変わります。見積もりを頼むときは、この3つを分担表と一緒に伝えると、金額の根拠を比べやすくなります。
頼む範囲は、見積書や契約書に書いておく
一部だけ頼む場合は、「どの作業までが含まれ、どこからが含まれないか」を見積書や契約書に書いておくと、あとで食い違いが起きにくくなります。配信のトラブルが起きたときの責任の分け方や、秘密保持の取り決めなど、契約の内容で迷うときは、弁護士などの専門家にご相談ください。
まとめ: 外注に出す前のチェックリスト
ウェビナーの外注は、1つの大きな仕事ではなく、集客・当日の運営・録画の後という別々の仕事の集まりです。テーマ・話す人の言葉・商談の連絡は社内に残し、手が足りない段階から小さく頼むと、負担を減らしながら自社らしさも保てます。頼む前に、次の項目を確かめてみてください。
- 分担表の20個すべてに、印を付けた
- 「任せる」が集まった段階(集客・当日・録画の後)が分かった
- テーマ・話す人の言葉・商談の連絡を、社内のだれが持つかを決めた
- 頼む仕事ごとに、成果の測り方を1行で書いた
- 録画の渡し方・保管の期間・削除の連絡を決めた
- 社内の確認役と、確認にかける日数を決めた
- 開催から何日で、何を受け取りたいかを決めた
- 見積もりの依頼に、分担表を添える準備ができた
よくある質問
一部の作業だけでも、頼めますか?
頼めます。依頼先によって引き受ける範囲は違うので、分担表で「任せる」を付けた作業を見せて、どこまで引き受けてもらえるかを確かめるのが早道です。範囲がはっきりしているほど、見積もりも早く出てきます。
集客と録画の編集は、同じ所に頼んだほうがよいですか?
どちらでもかまいません。同じ所に頼むと窓口が1つで済み、別々に頼むと、それぞれの仕事を得意な所に任せられます。どちらの場合も、集客は申込数、録画の後は届いた動画と納期、というように、仕事ごとに成果の測り方を分けて決めておくと、振り返りがしやすくなります。
社外秘の内容が映った録画を、外に渡してもよいですか?
まず、社内の決まりで外に出してよい録画かどうかを確かめてください。渡す場合は、秘密保持の取り決めと、データの扱い(保管の期間・削除の連絡)を先に決めておくと安心です。出してはいけないもの(取引先の社名・質問した方のお名前など)を一覧にして渡すと、カットやぼかしの漏れを防げます。
費用は、どう決まりますか?
頼む作業の数と量で大きく変わります。何で決まるかは、6章の「費用は何で決まるか」にまとめました。
映作堂について
映作堂は、会社のウェビナー録画とYouTube動画の編集をお引き受けしています。録画を送っていただくだけで、伝わる動画に仕上げます。ウェビナーでお引き受けしているのは、この記事でいう「録画の後」の作業です。アーカイブ版・ショート動画・要約文・目次(チャプター)・サムネイルを、録画のお受け取りから7営業日で初稿としてお届けします。開催までの進め方は、今のままで大丈夫です。
分担表で「録画の後」に「任せる」が付いたら、その表を添えてご相談ください。まずは1本、お試しください。