「ブログを書いたほうがいいのは分かっている。でも、何を書けばいいか毎回迷う」「書こうと思った頃には、もう確定申告で手が回らない」。事務所のブログやコラムについて、よく聞く悩みです。
この記事では、11月〜3月の月別テーマ表と、それを無理なく回す流れをご紹介します。全体の流れは下の図のとおりです。
冬のブログを、暦に合わせて回す流れ
- 先に書く11〜12月に、3月の分まで
- 予約公開する調べられる1か月ほど前の日に
- 調べる時期に出るお客さまが検索したときに答えがある
- 聞かれた質問をメモ2〜3月は書かずに、メモだけ
- 次の冬の表へ4月にメモを表に移す
毎年、同じ時期に、事務所の答えが置いてある
税理士のブログ集客は「調べる時期の1か月前」に出す
税理士のブログで集客するとき、大切なのは書く量よりも出す時期です。お客さまは、期限が近づいてから「自分はどうすればいいのか」を調べ始めます。そのときに、事務所のブログに答えが置いてあれば、事務所の名前を知ってもらうきっかけになります。
ところが、公開してから検索で見つけてもらえるまでには、時間がかかることがあります。調べる人が増えるその日に出すのでは、間に合わないこともあります。そこで、調べられる時期の1か月ほど前には公開しておくのが目安です。
- 集客が目的だと、最初に決める: ブログは採用や事務所の日常の発信にも使えますが、この記事では「お客さまに見つけてもらう」ための書き方に絞ります。
- お客さまの言葉で題を付ける: 「年末調整の書類、どこを書けばいい?」のように、お客さまが検索しそうな言い方のまま題にします。
- ブログは事務所のホームページの中に置く: コラムやお知らせの欄に置くと、読んだ方がそのまま事務所の案内や問い合わせに進めます。士業のホームページで集客するときの、手軽な入口の1つです。
なお、ブログを書けば必ず相談が来る、とは言えません。地域や得意な業種によって、読まれ方は変わります。それでも、お客さまが困っている時期に、答えが置いてある事務所であることは、紹介された方が事務所の名前を検索したときにも役に立ちます。ブログを含めて、集客の入口をどの順番で足すかは、税理士の集客、紹介が止まったら次はこの順番でにまとめています。
冬の5か月は、ブログに書くことが暦で決まっている
11月から3月は、お客さまが気にすることが毎年ほぼ同じ順番でやってきます。
下の図は、令和8年分(2026年11月〜2027年3月)の主な出来事と、その時期にお客さまが気になり始めることを並べたものです。日付は国税庁のページで確かめたものだけを載せています。
- 11月 年末調整の準備多くの会社で、年末調整の書類を集め始める時期(時期は会社ごと)お客さまが気になること: 書類のどこを書けばいい?/今年の年末調整は何が変わる?
- 12月 年末調整令和8年分は、基礎控除の引上げ等が12月の年末調整から反映(令和8年12月1日施行。11月までの源泉徴収は変更なし)お客さまが気になること: 12月の給与で何が変わる?/年内にやっておくことは?
- 1月 確定申告の準備源泉所得税(納期の特例・7〜12月分)の納期限は1月20日お客さまが気になること: 自分は確定申告が必要?/どの書類をそろえればいい?
- 2月 確定申告の受付令和8年分の確定申告は、令和9年2月16日(火)から(還付申告は2月15日以前もできる)お客さまが気になること: 初めての確定申告、何から始める?
- 3月 申告と納付の期限所得税の申告・納付は3月15日(月)まで。個人事業者の消費税の納期限は3月31日お客さまが気になること: 期限に間に合わないときは?/終わったら何をする?
この並びは、来年も大きくは変わりません。変わるのは日付と、その年の改正点です。そこで、テーマ表は「毎年の行」と「今年だけの行」に分けて作ると、来年は一部を差し替えるだけで使い回せます(4章)。
出典: 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/2026kiso/index.htm/国税庁「暮らしの税情報(令和8年度版)申告と納税」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/06_1.htm/国税庁「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」 https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200042/noufu_kigen.htm(いずれも2026年10月29日に確認)
税理士ブログの月別テーマ表:11月〜3月(コピーして使える)
図2の出来事に合わせて、月ごとに記事のテーマを2つずつ並べた表です。列は「テーマ」「動画にするなら一言」「書く時期」「出す時期」。税額や答えは書いていません。答えは、先生の事務所の言葉で書いてください。
テーマはあくまで例です。事務所で実際によく聞かれる質問があれば、そちらに置き換えるほうが、お客さまに届きやすくなります。「今年だけ」の印が付いた行は、来年差し替える行です。
そのまま使える「税理士ブログの冬の月別テーマ表」(令和8年分)
冬の月別テーマ表(令和8年分・2026年11月〜2027年3月) ※テーマは例です。事務所でよく聞かれる質問に置き換えてください ※【今年だけ】の行は、来年差し替えます ※日付は国税庁のページで確かめてから書きます ■ 11月(年末調整の準備) テーマ1: 年末調整の書類、どこを書けばいい? テーマ2: 年末調整と確定申告、自分はどっち? 動画にするなら一言: 「書類で迷いやすい所は、ここ」 書く時期: 10月末〜11月上旬 / 出す時期: 11月上旬 ■ 12月(年末調整) テーマ1: 個人事業の方が、年内にやっておくこと テーマ2: 【今年だけ】12月の年末調整で変わること(令和8年分) 動画にするなら一言: 「12月の給与明細で見る所」 書く時期: 11月 / 出す時期: 11月下旬〜12月上旬 ■ 1月(確定申告の準備) テーマ1: 確定申告が必要な人・いらない人 テーマ2: 確定申告の前にそろえる書類(医療費・寄附など) 動画にするなら一言: 「そろえる書類を3つだけ」 書く時期: 11月下旬〜12月(書き溜め) / 出す時期: 1月上旬 ■ 2月(確定申告の受付) テーマ1: 初めての確定申告、何から始める?(個人事業の方へ) テーマ2: 【今年だけ】インボイス登録をした方の消費税:2割特例は令和8年分が最後 動画にするなら一言: 「始める前に用意するもの」 書く時期: 12月(書き溜め) / 出す時期: 1月中旬(予約公開) ■ 3月(申告と納付の期限) テーマ1: 申告の期限に間に合わないときは テーマ2: 申告が終わったら、来年のためにしておくこと 動画にするなら一言: 「終わったらやること1つ」 書く時期: 12月(書き溜め) / 出す時期: 2月中旬(予約公開) ■ 事務所でよく聞かれる質問(置き換え・追加用) 質問: 【 】 何月のテーマにするか: 【 】 書く時期: 【 】 / 出す時期: 【 】
表の「出す時期」は、図2の出来事より1か月ほど早くしてあります。たとえば確定申告の受付は2月16日からなので、「初めての確定申告」の記事は1月中旬には出しておきます。11月に入ってからこの表を見た方は、12月の行から始めても間に合います。11月の行は、来年の分として残しておいてください。
1つのテーマを、どう書けば読まれやすいか(答えを先に書く型など)は、税理士の顧問先の増やし方:よくある質問を1問1本の発信に変える記入表でご紹介しています。この記事では、いつ・何を書くかに絞っています。
令和8年分ならではのテーマ(今年だけの行)
毎年同じ順番でやってくる冬ですが、令和8年分はお客さまが気にする改正点が多い年です。ここが、今年だけの行になります。
確定申告の日付は毎年変わるので、書くたびに国税庁のページで確かめます(日付は2章)。
基礎控除の引上げ等は、12月の年末調整から
令和8年度の税制改正で、所得税の基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族などの所得の要件の見直しなどが行われました。国税庁のページによると、これらは原則として令和8年12月1日から施行され、12月の年末調整など、12月以後の源泉徴収の事務から変わります。11月までの源泉徴収は変わりません。
お客さまからは「12月の給与で何が変わるの?」と聞かれやすい話題です。記事では、何が変わったかと、いつから変わるかまでを書き、具体的な金額は国税庁のページへのリンクで案内するのが安全です。一人ひとりにどう影響するかは、お客さまの事情で変わります。
出典: 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/2026kiso/index.htm(2026年10月29日に確認)
インボイスの2割特例は、個人事業者なら令和8年分が最後
インボイス登録をきっかけに消費税の申告を始めた方の負担を軽くする「2割特例」は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日を含む課税期間が対象です。個人事業者の課税期間は原則1月〜12月なので、令和8年分の申告が、2割特例を使える最後の年になります。
「来年からどうなるの?」と気になるお客さまは多いはずです。令和9年分からの扱いは、記事を書く時点の国税庁のページで確かめてから書いてください。また、特例を使えるかどうかは個別に変わるので、記事では対象になりそうな方に「一度ご相談ください」とつなぐ形が向いています。
出典: 国税庁「インボイス制度の負担軽減措置(2割特例)」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/01.htm(2026年10月29日に確認)
この記事で扱う税の話について
この記事は、ブログのテーマの選び方と出す時期をまとめたもので、税の中身は一般的な説明にとどめています。控除の金額や、特例が使えるかどうかの判断は書いていません。日付と制度は、令和8年分について、2026年10月29日に国税庁のページで確かめたものです。記事を書くときは、その時点の国税庁のページをご確認ください。
忙しい2〜3月の分は、12月までに書き溜める
冬のブログでいちばんの壁は、お客さまが一番調べる時期と、事務所が一番忙しい時期が重なることです。2〜3月に書こうとしても、まず手は回りません。そこで、書く時期と出す時期をずらします。
- 10月末〜11月: 11月・12月の分を書く(4本)。11月の分は書けたらすぐ出す
- 11月下旬〜12月: 1月・2月・3月の分を書く(6本)。書けたものから、出す日を決めて予約公開にしておく
- 1月〜3月: 新しくは書かない。予約した記事が出るのを待ちながら、お客さまに聞かれた質問を1行ずつメモする
- 4月: メモを見返して、次の冬のテーマ表に移す。よく聞かれた質問ほど、次の冬のテーマの候補になります
多くのブログの仕組みには、日時を決めて自動で公開する「予約公開」の機能があります。12月のうちに予約しておけば、忙しい時期に何もしなくても出ていきます。
書き切れないときは、各月1本だけでも十分です。表のテーマ1だけを書き、テーマ2は来年に回します。書き溜めた記事は、出す前に日付と年分だけもう一度見直してください(7章)。
1週間の中で、書く日・確かめる日・出す日をどう分けるかは、社労士のSNS:事務所の発信を週1本で続ける、1本を3つに分ける回し方で、曜日ごとの予定表にまとめています。
同じテーマを短い動画にも(士業のYouTubeの始め方)
士業がYouTubeを始めるとき、冬の分のネタは、このテーマ表ですでにそろっています。
- 表の1行=短い動画1本: 「動画にするなら一言」の列を、そのまま1〜3分の動画の題にします。顔を出さず、資料を映しながら話す形でも伝わります。
- 動画も、2〜3月の分は12月までに: 繁忙期に動画まで作るのは難しいので、作るならブログと同じく12月までに。余裕がない年は足さなくて大丈夫です。
顔を出さずに動画を作る形は、会社のYouTubeに社員が出たくないとき:顔出しなしの3つの形で見本といっしょにご紹介しています。
撮影や録音は事務所で行い、編集だけを外に頼む方法もあります。頼む前に決めておくこと(動画の役目・任せる範囲など)は動画編集を依頼する前に決める5つのことに、1本の費用が何で変わるかは動画編集の依頼相場:1本の値段が変わる6つの条件と、見積もりの頼み方にまとめています。
ブログ記事を公開する前に確かめる4つ
税の記事は、日付や年分が1つ違うだけで、お客さまを迷わせてしまいます。特に、11〜12月に書き溜めた記事は、出すまでに時間があくので、公開の前に次の4つを確かめておくと安心です。
- 何年分の話か(例: 令和8年分)を、題名か最初の段落に書いた
- 日付と制度は国税庁のページで確かめ、そのページへのリンクを付けた
- 金額や「自分は対象か」の判断は書かず、「事情によって変わるので、ご相談ください」とつないだ
- 去年の同じテーマの記事は、年分を直すか「令和7年分」と書き、新しい記事へのリンクを付けた
税理士の広告や発信には守るべき決まりがあります。うそや大げさな書き方にならないよう、書き方に迷うときは所属の税理士会にご確認ください。
まとめ
税理士のブログ集客では、お客さまが調べ始める時期に答えが置いてあることが、見つけてもらう入口になります。月別のテーマ表を1枚作り、調べられる1か月ほど前に出す。2〜3月の分は12月までに書き溜めて予約公開し、繁忙期は聞かれた質問をメモするだけにします。令和8年分は「今年だけの行」も入れておきましょう。
今日からできるのは、次の5つです。
- 3章のテーマ表をコピーして、事務所の共有メモに貼った
- 事務所でよく聞かれる質問に、テーマを1つ以上置き換えた
- 11月の分(テーマ1)を書く日を決めた
- 1〜3月の分を書き溜める日を、12月の予定に入れた
- ブログの仕組みに予約公開の機能があるか確かめた
この記事の日付と制度は、令和8年分(2026年10月29日時点で国税庁のページで確かめた情報)です。来年は「今年だけ」の行と日付を差し替えてお使いください。
よくある質問
税理士のブログは、どのくらいの頻度で書けばいいですか?
決まった答えはありませんが、冬の5か月なら、月2本(この記事の表のテーマ2つ)がひとつの目安です。書き切れないときは月1本でも構いません。大切なのは本数より、お客さまが調べる時期の前に出ていることです。
確定申告の記事は、いつ公開すればいいですか?
受付が始まる前に出しておくのがおすすめです。令和8年分の確定申告は令和9年2月16日から始まるので、1月中旬ごろまでに公開しておきます。
税の解説を書くと、お客さまが自分で済ませて相談に来なくなりませんか?
記事では一般的な流れまでを書き、「自分の場合はどうなるか」という個別の判断は相談へつなぐ形にしておくと、線が引けます。記事で分かるのは考え方まで。読んで「この事務所なら分かりやすく説明してくれそう」と感じた方が、自分の場合を聞きに来てくださることもあります。
士業もYouTubeを始めたほうがいいですか?
必ず始める必要はありません。始めるなら、テーマ表の1行を1〜3分の短い動画にするところからで十分です。ブログが止まりそうなら、ブログを優先してください。
映作堂について
映作堂は、会社のウェビナー録画とYouTube動画の編集をお引き受けしています。録画を送っていただくだけで、伝わる動画に仕上げます。ブログのテーマを短い動画でも出したくなったときや、事務所のセミナーの録画を活かしたいときは、撮影はいつもどおりに、編集だけを映作堂にお任せいただけます。まずは1本、お試しください。