- 相場の幅を知る数千円〜10万円前後
- 条件を決める6つの条件と作業の範囲
- 同じ文面で頼む見積もり依頼メール
- 見積もりを読む含む・含まないを確かめる
「動画編集を外に頼みたいけれど、1本いくらが普通なのか分からない」。そう思って相場を調べると、数千円という記事もあれば、数十万円という記事もあり、かえって迷ってしまうことがあります。社内で予算を通すにも、根拠のある数字がほしいところです。
動画編集の依頼相場:YouTube向けの1本は数千円〜10万円前後
動画編集を外注するときの費用(1本の料金)の目安は、解説記事4つを見ると数千円〜10万円前後の幅に収まります。ここで扱うのは、撮り終えた素材を仕上げる編集の値段だけで、企画や撮影は含みません。
| 出どころ | YouTube向けの編集1本の目安 |
|---|---|
| 解説記事A | 5,000円〜10万円 |
| 解説記事B | 3,000円〜10万円 |
| 解説記事C | 5,000円〜数万円 |
| 解説記事D | 2万〜11万円前後(編集だけを頼む場合) |
ただし、どの記事にも、目安の算出方法(件数や時期)は書かれていないため、この記事ではどれか1つの数字を「相場」とは言わず、4つの出どころの幅としてだけ紹介しています。
根拠のある数字としては、会社に編集を頼んだ実際の取引の例があります。YouTube動画の「編集のみ」の依頼で、次のような金額が公開されています。
- 動画の編集だけ: 1本5万円
- 手持ちの写真を使ったスライド形式の編集と、ナレーションの対応: 1本13万円
- 編集に加えて、BGMの選定とサムネイルの作成: 2本で20万円
同じ「編集のみ」でも、ナレーションやサムネイルが入ると金額が上がっています。値段は動画の本数だけでなく、1本に含む作業で変わることが、この例からも分かります。
出典(金額はいずれも税込・税抜の表記なし): YouTube向けの編集1本の目安(解説記事A〜D・算出方法は各記事に記載なし・2026年10月19日に確認) A: デジハクmagazine「動画編集を会社に依頼する相場は?」 https://digital-hacks.jp/blog/video-editing/16308/ B: ムビサク「動画制作・動画編集の費用相場(2026年)」 https://mvsk.jp/column/200121 C: Video Works「動画編集をプロに依頼する場合の費用相場は?」 https://videoworks.com/column/videoediting-price/ D: PRONIアイミツ「動画編集の費用相場は?」の解説部分の目安(2章の取引データとは別の数字) https://imitsu.jp/cost/movie/article/videoediting-market/取引の例(解説記事の目安ではなく、発表元の取引事例): PRONIアイミツ「YouTube動画制作の料金相場は?」(同社の取引事例・集計 2020年1月〜2025年3月・2026年6月23日更新) https://imitsu.jp/cost/movie/article/youtube
ウェビナー録画の編集も、長さと作業の範囲で値段が決まる点は同じです。この記事の6つの条件とひな形は、そのままお使いいただけます。
相場の数字が記事ごとに違う理由
相場を調べると、「YouTubeの1本は数万円」という記事のすぐ隣に、「動画編集の平均は10万円以上」という数字が出てくることがあります。どちらも間違いではありません。数えている「1本」の中身が違うのです。
たとえば、会社が編集を頼んだ取引を集計したデータでは、平均は約13万6,000円、中央値は10万円でした。価格帯ごとの割合は次のとおりです。
| 1件の金額 | 割合 |
|---|---|
| 3万円以下 | 8% |
| 3万〜5万円未満 | 10% |
| 5万〜10万円未満 | 26% |
| 10万〜20万円未満 | 33% |
| 20万〜30万円未満 | 12% |
| 30万円以上 | 11% |
ただし、これはYouTube動画1本の値段ではありません。会社紹介や商品紹介の動画なども含めた、動画編集の取引全体の数字です。1件に何本の動画が含まれるかも書かれていません。「会社が会社に編集を頼んだとき、1件の中央値は10万円」という目安として見るのがよさそうです。
出典(金額は税込・税抜の表記なし): PRONIアイミツ「動画編集の費用相場は?」に掲載の同社の取引データ(集計 2022年1月〜2025年11月・2026年1月9日更新。1章の解説記事Dの目安とは別の数字) https://imitsu.jp/cost/movie/article/videoediting-market
数字がずれるほかの理由は、3章の6つの条件です。ですから、相場の数字を見るときは、金額より先に「何が含まれた値段か」を見るのが近道です。そして自社で見積もりを取るときは、頼む側が条件をそろえて伝えれば、返ってくる金額をそのまま見比べられるようになります。
1本の値段が変わる6つの条件
編集1本の値段は、大きく分けると「何を、どんな素材から作るか」と「どう進めるか」で決まります。細かく見ると、次の6つの条件です。
| 条件 | 値段が変わる理由 | 頼む前に決めること |
|---|---|---|
| 1. 長さ | 素材が長いほど、見て選ぶ時間がかかります。仕上がりが長いほど、字幕や演出の量が増えます | 素材の長さと、仕上がりの長さの両方 |
| 2. 作業の範囲 | カットだけか、全文の字幕・強調の文字・効果音・画像・BGM・ぼかし・図解まで入れるかで、手間が大きく変わります | 任せる作業の一覧(4章の表) |
| 3. 素材の状態 | ファイルの数やカメラの台数が多いと、つなぎ合わせる手間が増えます。音が聞き取りにくいと、整える作業が必要です | ファイルの数・カメラの台数・音の録り方 |
| 4. 本数と続け方 | 毎月続く場合は、字幕の形や色などの型を決めて使い回せるため、1本あたりの手間が減ることがあります | 1本だけか、月に何本続けたいか |
| 5. 納期 | 急ぎの依頼は、ほかの作業の予定を動かす必要があるためです | 初稿がほしい日と、公開したい日 |
| 6. 確認と修正の回数 | 修正のたびに作業と確認が発生します。回数を決めずに頼むと、追加の料金になることがあります | 社内で何回確認するか、だれが確認するか |
6つのうち、値段の差が出やすいのが「作業の範囲」です。長さが同じでも、カットと字幕だけの動画と、効果音や図解まで入れた動画では、手間がまったく違います。次の章で、この範囲を決める方法を見ていきます。
作業の範囲を決める:「任せる・社内でやる」に印を付ける
「編集をお願いします」の一言では、頼む側と受ける側で思い浮かべる作業が違うことがあります。下の作業の一つずつに「任せる」「社内」「やらない」の印を付けるだけで、見積もりに何が含まれているかを読めるようになります。
| 作業 | 決めることの例 | 印 |
|---|---|---|
| カット | 言い直し・間・撮り始めの待ち時間を切るか。話の順番を入れ替えるか | 任せる社内やらない |
| 字幕(全文) | 話した言葉をすべて文字にするか、要点だけにするか | 任せる社内やらない |
| 強調の文字・効果音 | 大事な所を大きな文字や音で見せるか。どのくらいの数か | 任せる社内やらない |
| 画像の挿入 | 話に合わせて写真や画面の画像を入れるか。画像はだれが用意するか | 任せる社内やらない |
| BGM | 曲を指定するか、おまかせにするか | 任せる社内やらない |
| ぼかし | 顔・表札・車のナンバー・画面に映った資料などを隠すか。どのくらいの数か | 任せる社内やらない |
| 図解 | 説明を図や動きのある画面にするか | 任せる社内やらない |
| サムネイル | 一覧に表示される表紙の画像を作るか | 任せる社内やらない |
| ショート動画 | 縦型の短い動画を、何本切り出すか | 任せる社内やらない |
| 投稿の予約 | 題名・説明欄を整えて、公開の設定まで頼むか | 任せる社内やらない |
印を付けた作業名を、5章のひな形の6行目に書き写せます。「任せる」の行が同じなら、依頼先ごとの金額を同じ物差しで見られます。社内でやる作業を増やせば金額は下がりますが、そのぶん社内の手間が増えることも、あわせて考えておきたいところです。
動画の役目や、確認役・素材の渡し方など、頼む前に社内で決めておくことは、動画編集を依頼する前に決める5つのことにまとめています。
見積もりの頼み方:依頼メールに書く7項目(ひな形)
見積もりを頼むときは、3章の6つの条件に「データの扱い」を足した7項目を書いて送ります。どの依頼先にも同じ文面で送れば、返ってくる見積もりがそろいます。あわせて、「こんな雰囲気にしたい」という参考の動画のURLを1本添えると、作業の量が伝わりやすくなります。
まず、社内で書き出すメモの記入例です。
- 素材の長さ
- 約40分(1ファイル・カメラ1台)
- 仕上がりの長さ
- 12〜15分
- 音
- 襟元に付けるマイクで録っている
- 任せる
- カット・全文の字幕・強調の文字と効果音・BGM
- 社内でやる
- サムネイル・投稿の予約
- やらない
- 図解
- 本数
- まず1本。良ければ月4本
- 納期
- 素材を渡してから1週間ほどで初稿
- 確認と修正
- 確認役は1人。修正は2回までを見込む
- データ
- 素材は共有フォルダのリンクで渡し、納品のあと削除してほしい
メモができたら、下のひな形のかっこの所を埋めて送ります。
そのまま使える見積もり依頼メールのひな形
件名: 動画編集のお見積もりのお願い(【動画の名前】) 【依頼先のお名前】さま 【会社名】の【お名前】です。動画の編集について、お見積もりをお願いできますでしょうか。 1. 長さ: 素材は約【〇〇】分、仕上がりは【〇〇】分前後を考えています。 2. 素材: ファイルは【〇】本、カメラは【〇】台です。音は【マイクの種類・録った場所】で録っています。 3. 本数: まず1本お願いし、良ければ月に【〇】本続けたいと考えています。 4. 納期: 素材をお渡ししてから【〇】日ほどで初稿をいただけると助かります。公開は【〇月〇日】の予定です。 5. 確認と修正: 社内の確認役は【〇】人です。修正は何回まで料金に含まれるか、追加の料金になる条件を教えてください。 6. 作業の範囲: お願いしたい作業は【カット・全文の字幕・BGM】です。【サムネイル・投稿の予約】は社内で行います。 7. データ: 素材は【共有フォルダのリンク】でお渡しします(見るだけの権限です)。納品のあとの保管と削除について教えてください。 参考にしたい動画: 【URL】 お見積もりには、料金に「含む作業」と「含まない作業」を分けて書いていただけると助かります。 ご都合とあわせて、お聞かせください。
最後の一文、「含む作業と含まない作業を分けて書いてほしい」が大事です。これがあるだけで、次の章の確認がずっと楽になります。
返ってきた見積もりで確かめること
見積もりが届いたら、金額を見る前に、次の6つが書かれているかを確かめます。書かれていない所は、頼む前に聞いておくと、あとで「それは別料金です」と言われずにすみます。
- 料金に含む作業と、含まない作業が分けて書かれているか(4章の表と同じになっているか)
- 修正の回数と、どんな修正から追加の料金になるか
- 長さの上限(素材と仕上がり)と、超えたときの料金
- 納期の数え方(素材を渡した日からか、何営業日か、初稿までか完成までか)
- 権利(できた動画の権利がいつ自社に移るか、BGMや画像をどこで使ってよいか)
- 支払いの時期(前払いか後払いか、請求の締め日と支払日)と、税込か税抜か
同じ金額でも、修正が2回含まれる見積もりと、修正のたびに追加料金がかかる見積もりでは、最終的な支払いが変わります。6つがそろった見積もり同士で見比べるのが、自社に合う依頼先を選ぶいちばんの近道です。
個人(従業員のいないフリーランス)に頼む場合の決まり
2024年11月1日に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(フリーランス法)では、頼む側の事業者は、仕事の内容・報酬の額・支払期日などを、書面かメールなどですぐに示すことになっています(口頭だけでは足りません)。また、従業員のいる会社などが頼む場合、報酬は成果物を受け取った日から60日以内の、できるだけ短い期日に支払います。
見積もり依頼メールで条件をそろえておくと、こうした条件の整理にもそのまま役立ちます。どの決まりが当てはまるかは、相手の働き方や取引の期間などで変わります。詳しくは公正取引委員会のサイトをご覧いただき、判断に迷うときは弁護士などの専門家にご相談ください。
出典: フリーランス・事業者間取引適正化等法(2024年11月1日施行)、公正取引委員会 特設サイト https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2026/index.html
最初は1本だけ頼んで確かめる
見積もりがそろったら、いきなり何本もまとめて頼むより、まず同じ条件で1本だけ頼んでみるのがおすすめです。金額が見合っているかは、見積もりの紙だけでなく、実際の仕上がりとやりとりで分かるからです。
- 約束した納期どおりに届いたか
- 見積もりの「含む作業」がすべて入っていたか
- 社内の確認と修正に何時間かかったか
- 連絡のしかたが自社に合うか
とくに見落としがちなのが3つ目で、1本の値段が手ごろでも、確認と修正に毎回何時間もかかるなら、社内の手間を含めた費用は思ったほど下がっていません。値段は、仕上がりと社内の手間をあわせて見るのがおすすめです。
まとめ
YouTube向けの編集1本の相場は、解説記事の目安で数千円〜10万円前後と幅があります。幅が広いのは、長さ・作業の範囲・素材の状態・本数・納期・確認と修正の回数という6つの条件が、記事ごと、依頼ごとに違うからです。
相場の数字を探し続けるより、自社の条件を決めて、同じ文面で見積もりを頼むほうが、自社に合った金額にずっと早くたどり着けます。まずは4章の表に印を付け、5章のひな形を埋めるところから始めてみてください。
よくある質問
「1分あたりいくら」で見比べてもよいですか?
目安にはなりますが、それだけで見比べるのはおすすめしません。同じ10分でも、カットと字幕だけの動画と、効果音や図解まで入れた動画では手間がまったく違います。また、「1分」が素材の長さか仕上がりの長さかでも数字が変わります。作業の範囲をそろえてから見比べてください。
素材が長いと、値段は高くなりますか?
高くなることが多いです。仕上がりが同じ10分でも、素材が30分か2時間かで、見て選ぶ時間が大きく変わるためです。長さの上限を決めて、それを超えたら料金が上がる形の依頼先もあります。見積もりのときに、素材と仕上がりの両方の長さを伝えておくと確実です。
修正は、何回まで頼めるものですか?
依頼先によって違います。回数を決めて料金に含めているところもあれば、修正の量で料金が変わるところもあります。見積もりの段階で「何回まで含まれるか」「どんな修正から追加の料金になるか」を確かめておくと安心です。
ショート動画やサムネイルは、別の料金になりますか?
本編の料金に含めている依頼先もあれば、1本・1枚ごとに足す依頼先もあります。必要なら、4章の表で「任せる」に印を付けて見積もりを頼み、含まれているかどうかを見積もりで確かめてください。
映作堂について
映作堂は、会社のウェビナー録画とYouTube動画の編集をお引き受けしています。録画を送っていただくだけで、伝わる動画に仕上げます。料金のページには、1本の料金に含む作業と、長さの条件をあわせて載せています。お問い合わせのときは、この記事のひな形をお使いいただけます。7項目がまだ埋まっていなくても大丈夫です。分かる所だけお送りいただければ、残りは一緒に決めたうえで、料金に含む作業と含まない作業を分けてお見積もりします。