「社内にYouTubeを回せる人がいない。でも、全部を外に任せて大丈夫だろうか」。運用代行を考えるとき、まず迷うのがここです。任せる範囲を先に1枚にまとめておけば、依頼先との話も、社内の説明も楽になります。この記事では、5つの仕事を順番に見ながら、その1枚を作っていきます。
YouTube運用代行で頼める5つの仕事
- 企画ネタ出し・題名の案・構成
- 撮影機材・撮り方・現場の進行
- 編集カット・字幕・サムネイル
- 投稿題名・説明文・予約の設定
- 分析数字の集計・月1回のまとめ
分析の結果を、次の企画に生かす
YouTube運用代行で頼めるのは「5つの仕事」
YouTube運用代行(運用代行の会社や個人への外注)で頼める仕事は、大きく分けると企画・撮影・編集・投稿・分析の5つです。会社によっては、チャンネル全体の方針づくり、コメントへの返信、広告の運用まで含めることもあります。
- 企画: どんな動画を、どんな順番で出すか。題名の案や、話す内容の構成
- 撮影: カメラなどの機材、撮り方、撮影の日の進行(出てくれる人の手配を含めて考えます)
- 編集: 不要な所のカット、字幕、BGM、サムネイル(一覧に出る表紙の画像)
- 投稿: 題名・説明文の入力、公開の日時の予約
- 分析: 再生回数などの数字を集めて、次に生かす点をまとめる
よく似た言葉に「編集代行」と「撮影代行」があります。編集代行は編集だけ、撮影代行は撮影だけを頼む形です。運用代行は、この5つのうちいくつかを組み合わせて頼む形だと考えると分かりやすいでしょう。どこまでを「運用代行」と呼ぶかは会社ごとに違うので、名前ではなく、5つのどれが入っているかで確かめるのが確実です。
なお、費用は「どの仕事を、どれだけの量で任せるか」で決まります。月額の目安や見積もりの読み方は、YouTube運用代行の相場:見積もりの「何が含まれる値段か」を読む方法にまとめています。この記事では、金額の前に決めておきたい「範囲」に絞ってお話しします。
外注する範囲は「全部か、なしか」ではない
外注を考えるとき、「全部任せるか、全部自分たちでやるか」の二択で考えてしまいがちです。けれど実際には、5つの仕事それぞれについて、次の3つから選ぶことができます。
| 分け方 | どういう形か | 向いている仕事の例 |
|---|---|---|
| 社内 | 社内の人が決めて、手も動かす | 出てくれる人や撮影の場所の手配 |
| 任せる | 決め方を伝えたうえで、外にまるごと頼む | カット・字幕・サムネイルなどの手を動かす作業 |
| 一緒に | 社内が材料を出し、外が形にする | 企画(社内が伝えたいことを出し、外が構成にする) |
とくに便利なのが「一緒に」です。たとえば企画なら、社内は「お客さまによく聞かれること」「現場の写真」「伝えたい強み」を出すだけ。それを動画の構成や題名の案にするのは外の仕事、という分け方です。社内でしか分からないことは社内が、形にする技術は外が受け持つので、どちらにも無理がありません。
外注を中心にする場合でも、社内でしか決められないことは必ず残ります。大事なのは、何を社内に持つのかを、自分たちで選んで決めておくことです。
5つの仕事ごとの「任せやすい所」と「社内に残す1つ」
では、5つの仕事のそれぞれで、何を任せて、何を社内に残せばよいのでしょうか。どの仕事にも、外に任せやすい所と、社内でしか決められない所があります。先に結論をまとめると、社内に残しておきたいのは次の3つです。
5つの仕事にはそれぞれ「社内に残す1つ」がありますが、その中でも、任せる量が増えても手放さずに持っておきたいのが上の3つです。撮影の手配や、社内の結果との突き合わせは、任せる範囲に合わせて社内で受け持ちます。ここからは、仕事ごとに「任せやすい所」と「社内に残す1つ」をおすすめとして挙げます。会社の事情に合わせて、調整してください。
企画
任せやすい所: ネタ出し、題名の案、話す順番などの構成。YouTubeでどんな見せ方が伝わりやすいかは、外の人のほうが慣れていることが多い部分です。
社内に残す1つ: だれに、何を伝える動画か(目的)。出してよい話題の線引きも、ここに含めて決めます。採用のための動画なのか、お客さまに製品を知ってもらう動画なのかで、同じネタでも作り方が変わります。ここを社内で決めておけば、企画の案を任せても、方向はぶれません。
撮影
任せやすい所: 機材の用意、撮り方、撮影の日の進行。きれいに撮る技術は、外に頼むと差が出やすい所です。
社内に残す1つ: 出てくれる人・場所・日程の手配。だれに出てもらうか、どの部屋や現場を使うかは、社内でしか決められません。なお、オンライン会議の録画や画面の録画を使う動画なら、撮影そのものが要らないこともあります。
編集
任せやすい所: カット、字幕、BGM、サムネイルなど、手を動かす作業の多く。どの作業を頼むかの細かい決め方は、動画編集を依頼する前に決める5つのことの「どこまで任せるか」の表が使えます。
社内に残す1つ: 出してよいかの最後の確認。社名や製品名の表記、映ってはいけないものがないか、言い回しが会社として問題ないか。この判断は、社内のだれが行うかを決めておきます。
投稿
任せやすい所: 題名・説明文の入力、サムネイルの設定、公開の日時の予約。決まった手順の作業なので、任せると社内の手間が減ります。
社内に残す1つ: チャンネルの持ち主であること(公開してよいかの判断も、持ち主の側に残します)。外の人には、YouTubeの「チャンネルの権限」の機能で入ってもらうのが安心です。くわしくは次の4章で説明します。
分析
任せやすい所: 再生回数や視聴時間などの数字の集計、月1回のまとめ。数字の見方に慣れた人に任せると、気づきが早くなります。
社内に残す1つ: 問い合わせや応募など、会社の中でしか分からない結果との突き合わせ。「この動画を見て問い合わせた」「動画を見て応募した」といった声は、社内にしか届きません。YouTubeの数字と社内の結果を並べるのは、社内の役目です。何のためのチャンネルか、どの数字を見るかは、企業のYouTubeの目的の記事で決め方をまとめています。
YouTube運用代行に任せても、チャンネルの持ち主は会社
投稿まで外に任せるとき、「チャンネルのパスワードを渡せばいいのかな」と考える方もいるかもしれません。けれど、YouTubeにはパスワードを渡さずに、人ごとにできることを決めて招く機能があります。それが「チャンネルの権限」です。
- 管理者社内の担当者に。権限の管理ができる
- 編集者外の依頼先に。投稿・公開はできる
- 編集者(制限付き)収益の数字も見せたくないとき
- 閲覧者/閲覧者(制限付き)分析だけ頼むときなど。見るだけ(収益の数字を見せないなら制限付き)
YouTubeのヘルプによると、チャンネルの権限には所有者・管理者・編集者・編集者(制限付き)・字幕編集者・閲覧者・閲覧者(制限付き)の7つの役割があります(2026年10月時点)。運用代行を頼むときに知っておきたいのは、次の点です。
- 編集者は、動画のアップロードと公開、情報の編集ができます。一方で、チャンネルや公開済みの動画の削除、権限の管理はできません
- 編集者(制限付き)は、編集者と同じことができ、そのうえで収益に関する数字は見られません
- 管理者は、権限の管理や動画の削除までできます(チャンネルそのものの削除はできません)
つまり、外の依頼先には「編集者」か「編集者(制限付き)」で入ってもらえば、投稿の作業は任せながら、消す・人を増やすといった大きな操作は社内に残せます。管理者は社内の人にしておくのがおすすめです。依頼をやめるときも、同じ画面から権限を外すだけで済みます。
パスワードは渡さないほうが安全です
パスワードを渡すと、だれが何をしたのかが分からなくなり、やめるときにパスワードを変える手間も生まれます。権限の機能を使えば、そうした心配がいりません。設定のしかたは、画面の名前が変わることもあるため、YouTubeのヘルプで最新の手順をご確認ください。
出典: YouTube ヘルプ「チャンネルの権限機能を使用して YouTube チャンネルへのアクセス権を追加または削除する」(Google・2026年10月29日に閲覧) https://support.google.com/youtube/answer/9481328?hl=ja
使える表:5つの仕事の分担表(記入例つき)
ここまでの話を、1枚の表にします。5つの仕事のそれぞれに「社内・任せる・一緒に」のどれかの印を付け、社内に残すものを書き込んでください。社内の会議にそのまま出せる量にしています。
| 仕事 | 社内に残すものの例 | 印 |
|---|---|---|
| 企画 | 動画の目的(だれに何を)と、出してよい話題の線引き | 社内任せる一緒に |
| 撮影 | 出てくれる人・場所・日程の手配 | 社内任せる一緒に |
| 編集 | 出してよいかの最後の確認と、確認する人 | 社内任せる一緒に |
| 投稿 | チャンネルの持ち主・管理者と、公開してよいかの判断 | 社内任せる一緒に |
| 分析 | 問い合わせ・応募など、社内の結果との突き合わせ | 社内任せる一緒に |
書き方のイメージがわくように、架空の会社の記入例を下に載せます。社員20人ほどの会社が、採用のための動画を月2本出すという例です。【】の中を自社のことに書き換えれば、そのまま社内のメモや、依頼先への相談のメールに使えます。
分担表の記入例(そのままコピーして書き換えられます)
YouTubeの分担表(【採用のための動画・月2本】) 作成: 【〇月〇日】 まとめ役: 【人事の〇〇】 1. 企画 …… 印: 【一緒に】 社内に残すもの: 【応募してほしい人(20代の未経験の方)と、伝えたいこと(職場の雰囲気)。出さない話題(給与の細かい数字)】 だれが: 【人事の〇〇】が話したいことを出し、依頼先が構成と題名の案にする 2. 撮影 …… 印: 【社内】 社内に残すもの: 【出てくれる社員・場所(本社の作業場)・日程】 だれが: 【人事の〇〇】がスマートフォンで撮る 3. 編集 …… 印: 【任せる】 社内に残すもの: 【出してよいかの最後の確認】 だれが: 依頼先が編集し、【部長の〇〇】が【3営業日以内】に確認する 4. 投稿 …… 印: 【任せる】 社内に残すもの: 【チャンネルの持ち主(会社)・管理者(人事の〇〇)】 だれが: 依頼先に【編集者(制限付き)】の権限を付け、【部長の〇〇】の確認でOKが出た動画だけ、公開の予約まで頼む 5. 分析 …… 印: 【一緒に】 社内に残すもの: 【動画を見て応募した人の数を、月末に数える】 だれが: 依頼先が数字を月1回まとめ、【人事の〇〇】が応募の数と並べる やめる・替えるときのために: ・できた動画とサムネイルのデータは、【毎月、共有フォルダ】で受け取る ・数字は、社内の管理者がいつでも見られる状態にしておく
印は、最初からきれいに決まらなくてもかまいません。「まだ決めていない」所が見えることも、この表の役目です。決まっていない所は、依頼先に相談しながら埋めていけば大丈夫です。
運用代行をやめる・替えるときに困らないために、最初に決めること
始める前に、終わるときの話をするのは少し気が引けるかもしれません。けれど、依頼先を替えたり、社内でやる形に戻したりするのは、どの会社にも起こりうることです。そのときに困らないよう、範囲を決めるのと同じタイミングで、次のことを書いておきます。
- チャンネルの持ち主は会社。管理者も社内の人にしている
- 外の依頼先は「編集者」か「編集者(制限付き)」の権限で入っている
- 撮った元の素材は、会社の共有フォルダにも置いてある
- できた動画とサムネイルのデータを、どの形で、いつ受け取るか決めている
- 数字の記録(月1回のまとめなど)を、社内でも見られる場所に残している
できた動画や元のデータの権利をだれが持つかは、契約の中身で変わります。データの扱いと権利の決め方は、動画編集を依頼する前に決める5つのことの5章でもまとめています。
また、個人(フリーランス)に頼む場合、頼む側は、仕事の内容・報酬の額・支払期日などを、書面やメールなどで示す決まりがあります。この記事の分担表は、そのとき「仕事の内容」を書き出す下書きにも使えます。どの決まりが当てはまるか、契約書にどう書くかは、弁護士などの専門家にご相談ください。
出典: 公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」(2026年) https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2026/index.html
最初は1つか2つの仕事から任せる
分担表ができても、いきなり5つ全部を任せる必要はありません。1つか2つの仕事から任せて、慣れたら広げていくほうが、社内も依頼先もやりとりの型をつかみやすくなります。広げ方の一例です。
- 編集だけまず1本で、仕上がりと連絡のしかたを確かめる
- 投稿の準備まで題名・説明文・予約の設定を足す
- 企画の手伝いまで社内が材料を出し、構成を頼む
- 分析のまとめまで数字を見て、次の企画を一緒に決める
もちろん、撮影から先に頼みたい会社もあれば、企画の相談だけをしたい会社もあります。順番は自由です。大事なのは、広げるたびに分担表を書き直し、社内に残す1つは手放さないことです。
最初の1本で何を確かめるかは、動画編集を依頼する前に決める5つのことの「最初は1本だけ試して、確かめる」にまとめています。
任せ始めてから最初の1か月の進め方は、YouTubeの編集を外注する手順:最初の1か月の進め方に週ごとの予定表でまとめています。
まとめ
YouTube運用代行で頼めるのは、企画・撮影・編集・投稿・分析の5つの仕事です。どれも任せられますが、仕事ごとに「社内に残す1つ」を決めておくと、外に頼んでも方向がぶれず、やめるときにも困りません。
- 運用代行の範囲は、名前ではなく「5つの仕事のどれが入っているか」で確かめる
- 仕事ごとに「社内・任せる・一緒に」の3つから選ぶ
- 社内に残すのは、目的・最後の確認・チャンネルの持ち主の3つ
- 外の依頼先には、パスワードではなく「編集者」などの権限で入ってもらう
- 分担表を書き、1つか2つの仕事から任せて広げていく
よくある質問
企画は社内で考えて、編集だけ頼むことはできますか?
できます。編集代行と呼ばれる形です。そのときは、動画の目的(だれに何を伝えるか)と、出してはいけないものを短く書いて添えると、仕上がりのずれが少なくなります。どの編集の作業を頼むかは、動画編集を依頼する前に決める5つのことの表で決められます。
運用代行と編集代行は、何が違いますか?
編集代行は編集だけを頼む形、運用代行は企画・撮影・編集・投稿・分析のいくつかを組み合わせて頼む形です。ただし、どこまでを「運用代行」と呼ぶかは会社ごとに違います。この記事の分担表で、5つの仕事のどれが入っているかを確かめるのがおすすめです。
チャンネルのパスワードを渡しても大丈夫ですか?
渡さないほうが安全です。YouTubeの「チャンネルの権限」の機能を使えば、パスワードを渡さずに、外の人を「編集者」などの役割で招けます。編集者は動画のアップロードや公開はできますが、公開済みの動画やチャンネルの削除、権限の管理はできません。
全部任せたら、社内の手間はなくなりますか?
なくなりはしません。出てくれる人の手配や、出してよいかの最後の確認など、社内でしか決められないことが残るためです。そのぶん、社内でやることがはっきりしていれば、手間は小さくまとまります。分担表の「社内に残すもの」が、そのまま社内の仕事の一覧になります。
映作堂について
映作堂は、会社のYouTube動画の編集を月額でお引き受けしています。撮影はお客さまにお願いし、編集・ショート・サムネイル・投稿の予約までを映作堂が進めます。投稿の予約は「編集者(制限付き)」の権限をいただいて行い、パスワードをお預かりすることはありません。ウェビナー録画の編集もお引き受けしています。
毎月お届けするもの、含まれないこと、ご契約の期間は、料金のページにすべて書いています。この記事の分担表の「任せる」に印が付いた所と、そのまま見比べていただけます。まずは1本、お試しください。